東京地方裁判所 昭和49年(特わ)1139号 判決 1974年11月07日
被告人
1.
本店所在地 東京都北区中里町三五二番地の一
商号
株式会社アヅマ
代表者
代表取締役 植本一史
2.
本店所在地 東京都北区中里町三五二番地の一
商号
株式会社ウエモト
代表者
代表取締役 植本一史
3.
本店所在地 東京都北区中里町三五二番地の一
商号
株式会社鍛治屋
代表者
代表取締役 植本一史
4.
本籍 三重県尾鷲市大字矢浜三九七番地の一
住居
東京都北区中里町三五二番地の一
職業
会社役員
氏名
植本経広
年令
六一年(大正二年七月二九日生)
検察官
寺西輝泰
弁護人
磯畑岩雄
主文
1. 被告人株式会社アヅマを罰金三〇〇万円に、
被告人株式会社ウエモトを罰金四〇〇万円に、
被告人株式会社鍛治屋を罰金一五〇万円に、
被告人植本経広を懲役六月に
それぞれ処する。
2. 被告人植本経広に対し本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社アヅマ(以下被告会社アヅマと略称する)は東京都台東区千束四丁目四二番七号(昭和四七年七月五日から被告人株式会社鍛治屋の本店所在地)に、被告人株式会社ウエモト(以下被告会社ウエモトと略称する)は同都台東区千束四丁目四五番二号(昭和四八年二月一日から被告人株式会社鍛治屋の本店所在地)に、被告人株式会社鍛治屋(以下被告会社鍛治屋と略称する)は同都北区中里町三五二番地の一に、それぞれ本店を置き、個室付浴場の経営を目的とする株式会社で被告人植本経広は、右各被告会社の取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人植本経広は、右各被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、右各被告会社の売上の一部を除外して簿外預金を蓄積する等の方法により所得を秘匿したうえ、
第一(一) 昭和四五年六月一日から同四六年五月三一日までの事業年度における、被告会社アヅマの実際所得金額が別紙第一記載のとおり一三、三五五、〇一八円あつたにもかかわらず、同四六年七月三〇日東京都台東区蔵前二丁目八番一二号所在の所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一九一、七〇〇円で、これに対する法人税額が九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額四、五九二、九〇〇円と右申告税額との差額四、五九二、〇〇〇円を免れ、
(二) 昭和四六年六月一日から同四七年五月三一日までの事業年度における、被告会社アヅマの実際所得金額が別紙第二記載のとおり二六、三二二、〇一〇円あつたのにもかかわらず、同四七年七月三一日、前記所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が九、三五六、四八四円で、これに対する法人税額が二、八八四、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額九、〇八九、八〇〇円と右申告税額との差額六、二〇五、六〇〇円を免れ、
第二(一) 昭和四五年一一月一日から同四六年一〇月三一日までの事業年度における、被告会社ウエモトの実際所得金額が別紙第三記載のとおり四七、七七八、八七一円あつたのにもかかわらず同四六年一二月三〇日、前記所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一八、九二六、四五七円で、これに対する法人税額が六、二九二、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額一六、八七七、六〇〇円と右申告税額との差額一〇、五八四、九〇〇円を免れ、
(二) 昭和四六年一一月一日から同四七年一〇月三一日までの事業年度における被告会社ウエモトの実際所得金額が別紙第四記載のとおり二七、二二九、三〇九円あつたのにもかかわらず同四七年一二月二八日、前記所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一四、八一九、二六四円で、これに対する法人税額が四、七八一、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額九、三二四、九〇〇円と右申告税額との差額四、五四三、一〇〇円を免れ、
第三 昭和四六年九月一日から同四七年八月三一日までの事業年度における、被告会社鍛治屋の実際所得金額が別紙第五記載のとおり一八、三六六、五一四円あつたのにもかかわらず、同四七年一〇月三一日東京都北区王子三丁目二二番一五号所在の所轄王子税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三九、七七七円の欠損で、これに対する法人税額が〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額六、四八七、〇〇〇円と右申告税額との差額六、四八七、〇〇〇円を免れたもの(税額の算定は別紙第六の1ないし5記載のとおり)である。
(証拠の標目)
1 被告人植本経広の当公判廷における供述
2 同被告人の検察官に対する供述調書
3 同被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書一八通
4 登記官認証の登記簿謄本五通
5 押収してある法人税確定申告書八綴(昭和四九年押第一五九九号の一ないし八)
6 検察官寺西輝泰作成の捜査報告書
7 検察官寺西輝泰、弁護人磯畑岩雄共同作成の合意書面
(法令の適用)
1 該当罰条と刑種の選択
被告会社三社につき いずれも法人税法一五九条、一六四条一項
被告人植本につき いずれも法人税法一五九条(懲役刑を選択)
2 併合加重
被告会社三社につき いずれも刑法四五条前段、四八条二項
被告人植本につき 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情最重の判示第二の(一)の罪の刑に法定の加重)
3 執行猶予
被告人植本につき 刑法二五条一項
よつて主文のとおり判決する。
(裁判官 池田真一)
別紙第一 修正貸借対照表
(株)アヅマ
昭和46年5月31日
<省略>
<省略>
別紙第二 修正貸借対照表
(株)アヅマ
昭和47年5月31日
<省略>
<省略>
別紙第三 修正貸借対照表
(株)ウエモト
昭和46年10月31日
<省略>
<省略>
別紙第四 修正貸借対照表
(株)ウエモト
昭和47年10月31日
<省略>
<省略>
別紙第五 修正貸借対照表
(株)鍛治屋
昭和47年8月31日
<省略>
<省略>
別紙第六の1
法人税額計算書
<省略>
<省略>
<省略>
別紙第六の2
法人税額計算書
<省略>
<省略>
<省略>
別紙第六の3
法人税額計算書
<省略>
<省略>
<省略>
別紙第六の4
法人税額計算書
<省略>
<省略>
<省略>
別紙第六の5
法人税額計算書
<省略>
<省略>
<省略>